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異性への恋心を大切にして生きてきた昭和の時代を振り返ってみましょう。

思い出される昭和のあの日あの頃

脛に傷持つ女。(独り寝の淋しさに負けた私)其の四

◇夫に浮気の匂い。
昭和の花嫁
その後、私たちの交際は順調に進み、三ヶ月もしないうちに橋本は私に
結婚を申し込んでくれました。一も二もなく私が頷いたことは、言うまでもありません。

私たちの結婚には、何の問題もありませんでした。橋本の両親は勿論、
気難しい私の両親でさえ、この結婚には諸手を上げて賛成してくれたのです。

お式は翌年の春、私の二十二歳の誕生日に挙げる事と成りました。
親戚、会社の人達、友人たち総勢百人が集まってくれた、盛大な華燭の典でした。

挙式のあと、私と夫は九州は宮崎に新婚旅行へ旅立ちました。
これまた、非の打ち所の無いハネムーンでした。
私達は幸せ一杯で、新婚生活に臨みました。

新居は、都心の新築アパートでした。広くて綺麗で、新婚生活をスタートさせるには、
これ以上は望むべくもない住まいだったと思います。

私と橋本の未来は、キラキラ輝いているように思えました。
誰の目にも、そう映ったはずでした。自分で言うのも何ですが、
私達は人も羨む似合いのカップルだったのです。

私たちの生活には、何の隠し立ても無いはずでした。
最初は、私も其の事を信じて疑っては居ませんでした。
事実、初めの一ヶ月は絵に描いたような幸福な新妻だったのです。

結婚を機に会社を辞めていたので、私は専業主婦となりました。
入社当時は、キャリア志向で一杯だった筈なのに、
何と意志薄弱なことでしょう。
(やはり、女は結婚したら家庭に入らなくっちゃ。家がちゃんとしていないと、
 大事な旦那様に浮気されちゃうかもしれないもの、家事、頑張るわよ)

結婚した其の日から、私はしゃかり気になって家事にうちこみました。
とにかく、夫に嫌われるのが怖かったのです。家事も完璧にこなし、
(だからと言って、絶対にヌカ味噌臭くなんか成らないわよ!)
其の上、容色を保つ事にも人一倍、気をつかっていました。
私には夫が全てだったのです。

 
佳代子の告発03
夫が喜んでくれるなら、なんでもする積りでした。
(どうしたのかしら。あの人、ここのところ帰りが遅いわ)
ところがです。結婚して二ヶ月も経たない内に、夫の帰宅時間が異常に遅く成ったのです。
何でも、新規プロジェクトが立ち上がり、その責任者に抜擢されたと言うことでした。
其のせいで、夫の帰りが午前様に成ることも珍しくなくなりました。

「ひどいわ、まだ新婚だっていうのに、どうしてこう毎晩、帰りが遅いの?!」
最初の頃は我慢していた私ですが、それが何ヶ月も続くようになると、
たちまち辛抱も限界に達するようになりました。

私は夫に食ってかかりましたが、
「そんなこと言ったって、仕事なんだからしょうがないじゃないか」
夫は、まったく取り合って呉れませんでした。
「幸恵が淋しいのも判るけど、もう少し我慢むしておくれよ。
 このプロジェクトが終わるまでの辛抱だよ」

花の新婚さんだと言うのに、夫は家に寝に帰ってくるだけでした。
毎晩、残業だの接待だのと深夜や明け方に帰り、また朝になると慌てて出社していく、
という超過密スケジュールだったのです。次第に、私の精神状態は煮詰まってゆきました。

ただ家事をして夫の帰りを待つだけの専業主婦にとって、
これほど辛い生活はありませんでした。
来る日も来る日も、所在無く寂しい日々が続きました。

(これで子供でもできれば、少しは寂しさもまぎれるでしように・・・)
とは思うものの、そんな状態では性生活だっておぼつきません。
ようやく性愛の良さに目覚めてきたところだったと言うのに、
夫婦生活を営んでいる時間さえなかったのです。

しかし、私を煩わせていたのは淋しさばかりではありませんでした。
その頃、私はある一つの疑惑にとらわれ始めていたのです。
涙01
それは、
(近頃、あの人、妙に白粉や香水の匂いがするわ)
夫から漂う女性の影でした。
飲んで帰って来た日など、やけに夫から女の匂いがするのです。
夫に問い詰めると、決まってこう答えるのが常でした。

「何度も言っているだろう?飲み屋の女の匂いだよ。
 接待だから仕方ないんだよ。
 どうしたって、一緒に飲んでれば匂いが移っちまう。
 焼きもちやくほどのことじゃないよ」

けれど到底、私には信じる事が出来ませんでした。
それでなくとも、夫は女性にはモテるタチなのです。
毎晩、帰りが遅いのも本当は、
(仕事なんかじゃなくて、浮気しているからかもしれない!)

そう思うと疑惑は日々、拍車がかかり、雪だるま式に膨らんでゆきました。
元々、疑り深い私は、猜疑心の虜でした。
やがて、夫はワイシャツに口紅を付けて帰って来る様になりました。
夫の浮気は、もはや疑いの余地のないように思われました。

「もう何度、同じ事を言わせるんだっ。浮気なんかしていないと言っているだろう!
 仕事もきついのに、家に帰ってまでこんなに煩わしい思いはしたくないっ。
 焼きもちも、程ほどにしろ!しつこい女は可愛げがないぞっ」
毎日のように浮気を責め立てる私に、ついに夫は切れました。

それから、
「二、三日会社に寝泊りする事にするよ。
 其の方が、君の精神衛生上、良いだろう」
夫はこう吐き捨てると、プイと家を出て行ってしまったのです。

私は、よよと泣き崩れました。これはもう、決定的でした。
目の前が、真っ暗でした。
(や、やっぱり・・・あの人は、女の所へ行ってしまったんだわ!)
私は、奈落の底に突き落とされました。

(会社に泊まるなどと言っていたけど、そんなのは勿論嘘よ、
 大嘘だわ!あの人、私を捨てたのよっ。二、三日なんて言っているけど、
 もう戻ってこない積りよ。そう、そうに決まっている!)
  1. 人妻の性欲
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アヤメ草

Author:アヤメ草
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アヤメ草(万屋太郎)です。
演歌の作詞や官能小説書きを趣味とする、
今年72歳に成る“色ボケ爺さん”です。
何時も私のブログを見て頂き
有難う御座います。

私の別ブログ
“詩(うた)と小説で描く「愛の世界」”
も開設から八年目に入り、
多くの作品を公開してまいりました。
此処にはその中から選んだ
昭和時代の懐かしい「あの日あの頃」
の作品をまとめて見ました。

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